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古民家に手を入れる(その1) [古民家改修]

 古民家に手を入れるリフォームの問い合わせがありましたので、一つ記事を作っておきます。話が長くなりそうなので今日は「その1」にしておきます。



?費用と目的をはっきりさせる。



 まず、スタート地点としてどこまで費用を掛け、何をしたいかを決める。これが重要。







 基本的に、古民家と呼ばれるものは現行の法規の構造検討をするとかなりの確率でアウトとなる。現行の検討法では田の字型プランでOKに成るわけが無い。基礎が無くて、石の上に建っているのだから都会の建築士が見たら驚くだろう。ただ、だから弱いかといえば、「どちらとも言えない。」というのが私の本音。構造検討して最近立てられた住宅に対して、今まで無事住んで来たという事実もあるし、確固とした倒れなかったという「実績」がある。「論より証拠」なんて言葉もありますし。



 今まで住んできた、俗に言う古民家を少しいじりたいと言う人が現れた時に、「構造の現行法規に適合するようにする事がお客さんの安全のために絶対必要です。」というのが建築士としては正論なのだろうけど、今まで住んできた人は何も悪い事をしてきた訳ではないし、都市計画区域外ののどかな地域では人様に迷惑を掛けるわけでもない。杓子定規に完全に適合させるのであれば梁1本1本に番号をつけてすべてバラバラにして、束石を掘り出し新たに鉄筋コンクリートの基礎を作り、その上に木組みをもう一度組み立てるというとんでもない手間がかかる。それはすなわち工事金額の上昇につながる。はっきり言って並みの新築より高いだろう。





 ただ私自身、それは住まい手の人格の否定と同時に家格(?。勝手に作りました。)の否定でもあると考えています。住まい感というのは人それぞれ違うものだし、住んでいる人が良ければそれ以上他人が踏み込む必要も無い。上の写真のように昔の痕跡が出てきたことを懐かしがって喜んでくれる感性は、突然発生するものではなく過去から今まで継続した生き様の蓄積のような物だな、なんて大袈裟な事を考え、尊重したくなるのです。私は厳格な役人にはなれないだろうなと思います。(笑)



そんなこともあり、構造を大幅に見直すかどうか、これが最初の分かれ道。これは依頼者の事情によるところが大きいです。もちろん大幅に見直さなくてもシロアリの痕跡や危険な前兆があったり不陸や不便があったりする場合は指摘した上で何らかの対策を採り、直す計画を立てますのでご安心を。



話がそれますが、基礎が無く石の上に立っていることはある意味合理的で、ジャッキアップして高さ調整ができるメリットもあります。ちなみに石の上に建つ事(石端建て)の是非については建築界でも賛否両論があり見解は一本化していないように思いますが、今度鈴木祥之先生を委員長とする「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会が、防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センターで振動実験を行うようです。



http://green-arch.or.jp/dentoh/news.html#a06



選択肢を事細かに説明し、アドバイスを交えながら一緒に方法を考える。民主主義的な家作りが当事務所のモットーです。



さて、どれくらいの費用を掛けてどこまで工事範囲としましょうか?その1はこの辺で。



大林勇設計事務所
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コメント 2

moro

おっとこの記事は!もろ(笑)私の修論の内容にドストライク!勉強させて頂きます。
by moro (2010-12-04 15:31) 

isamu

>moroさん<br />
<br />
現在、勉強中でしたねそういえば。完バラの古民家再生はかなりかかると思いますよ。もちろん規模によりますが、2000万台の金額では難しい感触です。4とか5の大台まで届いてもおかしくないでしょう。そうなると、壊して建て直そうかという人が居ても仕方ないのが実情かなと思います。<br />
<br />
住まい感>金額、を受け入れ許してくれる限られたお客さんにしか完全バラシは難しいかな。<br />
<br />
by isamu (2010-12-05 09:44) 

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